« マリアについての基本文献 | トップページ | マリアの基本文献 11から20 »

2007年12月22日 (土)

マリアの基本文献 1から10

解題

1)は3部、50章から構成された体系的百科。巻末に書誌、索引が付く。

 I.「時におけるマリア」(歴史等)、Ⅱ.「教会におけるマリア」(教義、典礼等)、Ⅲ.「マリアヘの証言」(文学、芸術、民間信仰などに現れたマリア)。

 カトリック教会の歴史観に基づく区分。スペイン語訳がある。

 なおイタリア語の辞典(原書はフランス語)に簡略な Piccolo dizionario mariano.  1981. 350p.もある。

2)は平易で一般向け、具体的項目の多いABC順辞典。地誌や教会に関する記述も充実している。マリアの参考図書が少ない英語圏における貴重な例外となっている。

3)は全25分冊の予定で始まったが、第8分冊(-Elisabeth)で中断。そこまでの合本がある。完成したならば45005000欄になったと予想される。森羅万象にマリアの姿を見出そうするドイツらしい徹底主義が中断した一因かもしれない。

 なお出版社Pustet4)という1巻完結、分野別のハンドブックを出版して面目を施した。巡礼や民間信仰といったフォークロア分野の充実が特徴。

5)は神学中心の辞典。著者はアイルランドのマリア学者。

 同様の神学辞典にイタリアのマリア学者による

Roschini.G.M Dizionario di Mariologia. Roma.Editrice Studium..1960 . 518p.

 がある。著者は全4巻からなる「マリア学」を2回執筆するほど精力的に活動した。

6)はマリアの全体像を提供する大著で資料の宝庫である。3巻の予定が5巻に増大し更に補足的内容の6~7巻、そして第二ヴァティカン公会議の成果と総索引からなる8巻に至った。

各巻の内容は以下の通りである。

 Ⅰ.聖書,教父文献,典礼,教義、司牧 924p Ⅱ.文学,芸術.マリア崇敬・霊性の歴史(中世盛期~)1003p Ⅲ.マリア崇敬・霊性の歴史(続き,ベルーア学派~被昇天の教義成立)824p IV.世界各地のマリア崇敬(ヨーロッパ、アジア) 1040p Ⅴ.世界各地のマリア崇敬(アフリカ,アメリカ,オセアニア、Ⅳに遅れた原稿)、崇敬総合 1088p Ⅵ.聖書の実証的研究、思弁神学、他 868p Ⅶ.教義とエキュメニズム(教会統一運動),他 458p Ⅷ.第ニヴァティカン公会議,総索引 214p

 総索引に分析的な記述があり辞典としても活用できる。

7)は体系的論文集。一般向けながら出典指示も丁寧に記している。各巻の内容はI啓示(聖書やキリスト教の伝承)、Ⅱ神学、Ⅲ崇敬で、I、Ⅱ巻合冊のスペイン語訳がある。ドイツの先駆的著作、

Straeter,P.hrsg.Katholische Marienkunde . 3 vols. 2 ed. 1952.

を踏襲した構成となっている。

 

 この他論文集として「国際マリア学会」論文集がある。1950年よりほぼ4年毎に開催されている。

 

開催年 会議録の題名、テーマ         開催場所

1950 Alma Socia Christi  キリストとマリア  Rome

1954 Virgo lmmaculata   無原罪の御宿り 

1958 Maria et Ecclesia マリアと教会       Lourdes

1965  Maria in Sacra Sacriptura 聖書  Santo Domingo

1967  Primordiis cultus Mariani 初期の崇敬  Lisbon

1971  崇敬6 11世紀                   Zagreb

1975  崇敬12 15世紀  

1979 崇敬16世紀                      Saragossa

1983  崇敬1718世紀(フランス革命まで) La valetta

1997 崇敬19世紀                         Kevelaer

8)はマリア崇敬・教理の通史。著者はカトリックだが批判精神も忘れず東方教会も含むバランスのとれた記述をしている。

 英訳 Mary; History of Devotion and Doctrine. スペイン語訳、イタリア語訳もある。同著者には簡潔な

Devotion to Our Lady 20th Century  Enciclopedia of Catholicism  N0. 45.New York. Hawthorn Books. 1963. 108p.    もある。

 なお、プロテスタント側からの通史に

Delius. Walter, Geschichte der Marienverehrung. Munchen / Basel . E.Reinhardt 1963.. 376p.

がある。

9)は教科書的にマリアの教理の発展とマリアの生涯を記述している。著者はフランスのマリア学者。初版から5版に至るまで別の本と思えるほど改訂を積み重ねている。ドイツ語、スペイン語、イタリア語訳がある。

10)はマリア書誌のシリーズとして最も網羅的である。

 Bibliografia Mariana 1973-1977 . Roma.1980.428p.は最新版

 この書誌で採用されている文献の分類コードはマリア学の全域を体系的に示している。A.書誌B.体系的著作C.教会の公文書D.聖書E.伝承、歴史F.現代(学会、会議録等)G.マリアの特権,徳H.「救済史」におけるマリア J.マリアの被昇天,尊厳L.教義上の諸問題 M.エキュメニズム(カトリック以外、教会統一運動)N.マリアの生涯、伝記 О.人類学,神話、比較宗教学 P.崇敬(一般)Q.典礼 R.司牧 S.霊的生活T.マリア讃歌,U崇敬(特定)V.団体、教団 W文学 X芸術(図像学、美術、音楽、小芸術、切手)Y.崇敬(各地)Z.雑,その他 (I,Kは欠番、崇敬はP,U,Yに分割)

 なお、精選された書誌として

文献1,885918 p Besutti編)、やその発展である

BesuttiNote di Bibliografia Mariana .1963.130p.

そして9),186196p等がある。

 マリア図像学の書誌には以下の文献巻末のBibliographie327345p)がある。

Guldan.ErnstEva und Maria Eine Antithese als Bildmotiv . Koln.1966. 376p.

 文献を40項目に分け、1.マリア図像学全般67点、2..覧会カタログ14点、のようにリストしている。

« マリアについての基本文献 | トップページ | マリアの基本文献 11から20 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: マリアの基本文献 1から10:

» 「あかひげ薬局」精力剤の百貨店! [げんき&元気とくとく情報館]
「活力ある人生づくりに…」必見!耳寄り情報をお届け・・・今日は、「あかひげ薬局」精力剤の百貨店!のご案内です。是非一度おいで下さい。もし、ご迷惑でしたらお手数ですが削除して下さい。 [続きを読む]

« マリアについての基本文献 | トップページ | マリアの基本文献 11から20 »

2020年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

マリアに因む音楽

  • 聖母(マドンナ)たちのララバイ
    岩崎 宏美:

図像学区分:第二段階

  • 第一区分一第二区分一:喜びを黙想して祈る図像
  • 第一区分一第二区分二:悲しみを黙想して祈る図像
  • 第一区分一第二区分三:能動的に祈る図像
  • 第一区分二第二区分一:(狭い意味で)マリアが王座に座す図像(マエスタ、上智の座など)
  • 第一区分二第二区分二:謙譲のマリア像(地上に座ったり、尊厳より情愛を示す、しかし王冠を被ったりと「王座のマリア像」との区別は必ずしも明確ではない)
  • 第一区分二第二区分三:開いたり、黒いマリア像(やや異教的、グロテスクな印象もある)、懐妊・希望のマリア像とも似る
  • 第一区分三第二区分一:アトリビュート(動物、植物、その他)
  • 第一区分三第二区分二:御子(やマリア)の仕草
  • 第一区分三第二区分三:衣装;髪飾り、髪型、履物、人工の装い、材質、図像の置かれた場所、コンテクストなど

マリアの有名なイメージ

  • Strass
    ラファエロなどのマリア像の切手

マリアの図像学を知るために

  • 松本 富士男 (協力 小杉 健): 「情愛の聖母子」彫像の図像学的記述 -13~15世紀を中心に  「キリスト教史学会紀要」 116-92p
    図像学的観察の対象としてフランス、ゴシック時代の大聖堂のトリュモー(支柱)に登場した、親愛を強調した聖母子立像をはじめ32点を図示。頭の先から爪先まで、持ち物も観察、分類した。ちなみに図1はアミアン大聖堂の通称「黄金の聖母子」、キーワードは「視線の交流(いわゆるアイ・コンタクト)」、マリアは斜め上からイエスを見つめる。図7では二人の視線は同じ高さで向き合い、図8では二人の視線は向き合わない。
  • 松本 富士男 ( 協力 小杉 健 ): マリア像の変遷 立教大学チャペル・ニュース  1987年から1991年に掲載 31回+α
    「最古のマリア像」 (1987年4月)でローマのカタコンベ(地下墓所)に見られる図像などを紹介。 「マリア像の成立」 (1987年6月)では「神の母」としてのマリアへの崇敬が確立した431年のエフェソ公会議を中心に当時の代表的図像を紹介。 1987年1月からは「マリア像の変遷」として「マリア・オランス(祈るマリア)」を(1)と題し、ほぼ時代順にマリア像の変遷を記述。1990年4月の(24)20世紀前半、続く (25)の「現代のマリア観」で一段落した。ついで(26)からは視点を変え、服飾、図像に表現された喜び、悲しみ、マリア像の胎内に何かを含む図像として、御子イエスを含む「懐妊、希望のマリア」像、それ以外を含む彫像、聖遺物容器としてのマリア像を紹介した。 なお、クリスマス、12月号では関連記事とするため、 (11):1988年12月では1988年に日本で刊行されたマリアに関する本の紹介、降誕図像を中心に、フランスの聖母子像を集大成したヴロベルクの著作を紹介した。  (21):1989年12月ではサンタ・クロースに因み 彼や聖ニコラウスとマリアが同時に描かれた図像を紹介した。
  • 松本 富士男 ( 協力 小杉 健 ): マリアの図像学(3):名称、形態の分類 東海大学文学部紀要 52(1990年) 122-86
    内容を順次 紹介していきます
  • 松本 富士男 ( 協力 小杉 健 ): マリアの図像学(2) 日本の展覧会で展示されたマリア像 東海大学文学部紀要 49 1988年
  • 松本 富士男 ( 協力 小杉 健 ): マリアの図像学(4) 西欧 9~12世紀のマリア像 テオトコスからマドンナへの過渡期 東海大学文学部紀要
  • トレンス、 : マリアの図像学的系統樹 ( 書籍内のはさみこみ部、 スペイン語)  図像学的分類の枠として変更を加え試行中
  • 松本 富士男: イエス像の変遷 (関連テーマとして) 立教チャペル・ニュース 1974年12月~1981年2月 61回連載
    全61回、マリアに関する部分を順次 紹介していきます
  • 松本 富士男 / 小杉 健: マリアの図像学 
    聖公会出版  2008年7月 定価3150円   A5 44,7,226ページ
  • 若桑みどり: 聖母像の到来
    16,17世紀における日本のキリスト教美術を世界史の文脈に位置づける試み。、、、日本において、東西の宗教文化を融合した「マリア観音」が成立したことを本論ははじめて明らかにした。 2007年に千葉大学より名誉博士号追贈

マリア図像学の項目

  • マリア図像学の分類体系と本ブログの分類について
    マリア図像学の分類体系は幾つかの文献で提唱されています。本ブログは主にスペインのトレンスによる系統樹と、マリアに限らず図像分類の標準システムであるiconclassに基づき、独自の三区分分類BGRにより両者の異同も示しつつ、マリア図像学の醍醐味に迫ろうとしています。

図像学的区分:第三段階

  • 喜びを黙想、その1:黙示録(先在)のマリア像、時の始めからある
  • 喜びを黙想、その2:懐妊・希望のマリア像、御子イエスを懐妊している時期のマリア像:受胎告知(3月25日)からクリスマス(12月25日)まで
  • 喜びを黙想、その3:無原罪の御宿りのマリア像
  • 悲しみを黙想する、その1:悲しみの予感を示す図像、御子イエスが十字架を持ったり、マリアが受難の予感に沈む図像など
  • 悲しみを黙想する、その2:悲しみの実体験を示す図像、ピエタなどイエスの亡骸を抱くマリア像など、幼児イエスを抱くマリア像と似ることも
  • 悲しみを黙想する、その3:その他、7つの悲しみを示す図像やぶどうの樹(十字架にかかったイエスを含み、単なる持物としては分類しにくい)を持つマリア像など
  • 能動的に祈る、その1:とりなすマリア像(審判にて、煉獄にて、災疫に際して)
  • 能動的に祈る、その2:守護するマリア像のうち、「守護のマント(ミゼリコルディア;慈悲)で人々をかくまうマリア像、と(祈り、または数珠状の持物の意味で)ロザリオのマリア像、の2大グループ

マリアの切手

  • ザール、1954年8月   ホルバイン、ディティール、   ラファエロ、ディティール   デューラー、ディティール

図像学的区分:第一段階

  • 第一区分一:マリアが祈る(広い意味で)図像
  • 第一区分二:マリアが王座に座す(及びその対立例)図像
  • 第一区分三:図像学的ディティール

マリア像の変遷、詳細

  • 最古のマリア像
  • マリア像の成立
  • (1)マリア・オランス(祈るマリア)
  • (2)尊厳のマリア(王座に座るマリア)
  • (3)立っているマリア像
  • (4)左腕に(御子を)抱くマリア像
  • (5)情愛のマリア(その三つの型)
  • (6)守護・とりなしのマリア
  • (7)西欧のマリア像の成立
  • (8)ロシアのマリア像
  • (9)美しのマリア像への発展
  • (10)イタリア・ルネサンス幕開けまで
  • (11)クリスマスにちなんで:1988年に日本で発行されたマリアの本
  • (12)15世紀のマリア像
  • (13)黙示録の女,守護のマント、ロザリオのマリア
  • (14)イタリア・ルネサンス盛期
  • (15)無原罪の御宿りのマリア像
  • (16)15世紀ドイツ圏のマリア像
  • (17)ルターのマリア像
  • 18.バロックのマリア像
  • 19.新たなイメージと啓蒙時代
  • 20. 18世紀(続き)
  • 21.クリスマスにちなんで:サンタクロースとマリア
  • 22. 19世紀前半
  • 23. 19世紀後半
  • 24. 20世紀前半
  • 25. 現在のマリア観 (20世紀後半)
  • 26. マリアのファッション: 女王としてのマリア;ローマ、5~9世紀
  • 27. マリアのファッション:西欧中世
    マント:他者をかくまう服飾、 戦闘服を着たマリア; アルブレヒト祭壇画;中世マリア観の集大成となる連作から、 司祭服を着た(聖職者としての)マリア、 麦穂をちりばめた服を着たマリア、 マントの変遷、からなる
  • 28. マリアのファッション、バロック;聖と俗のはざま
    女羊飼いとしてのマリア、 マリー・アントワネットに言及 巡礼者の服装をしたマリア、移動する(巡礼する)不思議なマリア像、などからなる
  • 29. クリスマスにちなんで;喜びを待つこと、待降節のマリア像
    懐妊したマリアが月満ちて、降誕を迎えんとする間、の マリア像: 「待降節のマリア像」とも呼ばれ、 また妊娠に相当する欧米語は「期待、希望」の意味も あり、こうした図像をあわせ紹介した
  • 30. 悲しみ; 受難とあがないにおけるマリア像
    カルロ・ドルチの「親指のマリア」、 幼児イエスと、十字架刑後の亡骸イエス、 それを抱くマリア像がときに似ている例、 深い意味での共通点などを述べる
  • 31. 西欧マリア彫像の成立
    懐妊しているマリア像を紹介済みだが、マリアの 胎内に描かれたのは御子だけではなかった。 子なる神だけでなく三位一体や生涯連作が 含まれたり、聖遺物容器として内部に聖遺物が 収納された例などを紹介

切手が伝えるマリアの図像学

  • 小杉 健: 切手が伝えるマリアの図像学

マリアに因む人


  • 本 「聖母像の到来」の著者

マリア像の分類120項目

  • 分類1 B:祈る 
     祈る仕草のマリアをここに分類。「信仰」を最も端的に表す図像と言えよう。青を対応させたのは空,天上的なものへの方向性から。顔は伏し目がちが神への敬虔にふさわしく感じられる。iconclass分類 11F8 奇跡、出現、伝説〜マリアの 11F9 マリア崇敬 11F23 マリア(幼児イエス無し):立像 11F231 マリア(幼児イエス無し):立像:オランス(ブラケルニティッサ) 11F233 マリア(幼児イエス無し):立像:地球の上に立つか休む 11F236 マリア(幼児イエス伴うことも):立像:麦穂のマリア
  • 分類2 G:王座に座る  
     御子イエスを膝にのせ王座に座るマリアをここに分類。マリアは自分の幼な子を抱く喜ばしげな母ではなく,ロゴス(神の御言)であるイエスを膝にのせた「上智(御言)の座る所」として尊厳な様子で描かれる。この図像が「上智の座」,「尊厳」(マエスタ)の名前で呼ばれる所以である。なぜ「希望」と対応づけたかは懐妊と希望が欧州語では同一語のことが多く,「イエスの座す(宿った)」ところとしてのマリアをイメージさせるから。希望をイメージさせる色は緑。また変種のひとつ,田園のなかのマリアはドイツ語で「緑の中のマリア」とも呼ばれる。顔は毅然とした,それでいて優美なイメージがふさわしく感じられる。 iconclass分類 11F24 マリア(幼児イエス無し):座像  11F243 マリア(幼児イエス無し):座像:マリアと一角獣 11F244 マリア(幼児イエス無し):座像:王座に座す
  • 分類3 R:情愛,細部 
    「情愛のマリア」はマリアの神の母としての尊厳よりも御子への愛情や2人の親密さを強調する図像で、「授乳するマリア」や「頬を寄せ合う図像」など。またマリアとイエスの情愛を示す様々な事物が登場。愛は心臓などのイメージで赤。顔は柔和な,ときに活発に近い感情が現れるのがふさわしく感じられる。 iconclass分類 11F1 マリアの象徴と予型 11F7 特定の部分:マドンナの表現 11F74 特定の部分:マドンナの表現:その他の特定の部分 11F741 特定の部分:マドンナの表現:その他の特定の部分:幼児としての洗礼者ヨハネ
  • 分類4 BB:喜びを観想する
     祈りを内面の祈り(黙想,観想)と,外に現れた祈りの活動,成果に二分。キリスト教の修道会などを観想と活動に大別するのに対応。内面の祈りは喜びと悲しみに区分(その変種として「栄光」もある)。祈る仕草のマリアを見るとその内面まではわからないが喜びが大半である。 iconclass分類  11F242 マリア(幼児イエス無し):座像:喜びのマリア
  • 分類5 BG:悲しみを観想する
     マリアの悲しみの最たるものは御子イエスの受難,十字架刑での死。こうした悲しみの場にいるマリアやそれから派生した図像を分類。ただし喜びと悲しみは峻別されるとは限らず喜びと混合したような図像もある。 iconclass分類  11F25 マリア(幼児イエス無し):「マーテル・ドロロサ」悲しみの聖母 11F251 マリア(幼児イエス無し):「マーテル・ドロロサ」泣くマリア 11F252 マリア(幼児イエス無し):「マーテル・ドロロサ」剣で貫かれる 11F253 マリア(幼児イエス無し):「マーテル・ドロロサ」受難具を伴う 11F241 マリア(幼児イエス無し):座像:悲しみのマリア
  • 分類6 BR:活動的祈り 
     内面の祈りに対して,外に現れた祈りは具体的に描かれる。祈る仕草以外にも祈りとその成果を示す図像があり,多くのマリア像が含まれる。  祈りの道具であるロザリオ(数珠に似る)を含む図像,人々の祈りをかなえるため「守護するマント」で人々をかくまう図像,人々の祈りを神に仲介する「とりなし」の図像に三区分。とりなしに応じ人々の守護聖人となっているマリア像はその強力さ,尊厳が「王座に座す」マリアに近いものがある。 iconclass分類 11F63 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物が伴うか周囲にいる:幼児イエスがいないこともある、団体の守護聖人として
  • 分類7 GB:王座の左右と内部の変化 
     王座に座すマリアの左右には最初マギーや天使,次いで様々な聖人たちが描かれる。最初は王座と周囲を仕切る境界,枠が明確。  次いで中央の聖母子と左右の聖人との間で,枠状の仕切りがなくなり両者が意味上も同一空間内に置かれるという変化が起こる。こうした、聖人が聖母子と同列に描かれている図像タイプを「聖会話」(サクラ・コンヴェルシオーネ)と呼ぶ。両者が精神的に会話を交わしているように感じられるからである。祭壇画の主要形式であり続けたのは依頼主(修道会や後には富裕な個人)と関係の深い聖人を配するのに都合のよい形式であったからである。  もうひとつ王座自体,というより「王座としてのマリア」自体の変化がある。「開くマリア」像は観音開きに内部が開く彫像で土俗的な印象が強い。懐妊時期のマリアを描く図像では御子イエスが胎内に描かれるがそれとはまた違う図像である。マリア内部に遺物や神が含まれるとその姿は非キリスト教の女神像に似てくる。そこで「黒いマリア」という,非キリスト教的要素の強い図像もこの下位区分に分類した。 iconclass分類 11F6 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物が伴うか周囲にいる 11F62 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物が伴うか周囲にいる:特別の図像タイプ 11F621 マドンナ(幼児イエスを伴う)、他の人物いる: 「天の女王」「天使の女王」「マエスタ」 それぞれ別タイプ
  • 分類8 GG:王座の上への変化 
    「王座の聖母子」で王座が地面よりかなり高い位置にある場合は「雲の上の聖母子」に近い構図となる(ジョルジョーネの「カステルフランコの聖母子」)。ラファエロの「フォリーニョの聖母」は更に高く、空中に出現した聖母子を描いており「黙示録の女」の天空の出現を彷彿とさせる。次いで地上をはるか離れ,天上に達したマリアは浮遊感も無く,別の図像タイプとなる。 iconclass分類 11F5 マドンナ(幼児イエスを伴う)、空中または雲中
  • 分類9 GR:王座の下への変化  
    上への変化が天上,神的なものへの接近とすればこちらは人間的要素の強調。王座に座り授乳するマリアはかなり早くから美術に登場。王座を離れ,地面に座すマリアは「謙譲」というキリスト教の徳を表現。その地面には花が咲き,草が柔らかなクッションとなることも。「閉じた園」,庭全体もマリアの象徴。地面に座って授乳するという両者混合の図像も。 iconclass分類 11F43 マドンナ(幼児イエスを伴う):マリアは地面に座す、幼児イエスは彼女の膝の上に
  • 分類10 RB:マリアとイエスの周囲の事物 
    「尊厳」より「情愛」を強調する図像では細部に様々な要素が描かれる。ただしマリアとイエス以外のそれらは必ずしも情愛を意味するものではない。図像学的にみれば象徴,アトリビュート(持物)などに区別。 iconclass分類 11F11 マリアの象徴 11F111 マリアの象徴:連祷から 11F112 ロレトの連祷の象徴を伴うマリアまたはマドンナ 11F15 マリアの予型